情報の共有【アスクラボメールマガジン2017年5月9日号】

政府が提唱する「働き方改革」。この実現に向けては、長時間労働の是正や多様な働き方への対応、非正規雇用の処遇改善等々、労務コストが上昇することは必至のため、企業は今まで以上に生産性の向上・無駄なリソースの削除を念頭に置いた経営が迫られます。
しかし、現実では同じ会社でありながら各部署それぞれで同じような商品・サービスを検討したり、ある部署で失敗した事例と同じような失敗を別の部署が起こしたり、結果的に無駄なリソースを費やしコストアップを招く事態が生じているのではないでしょうか。

一方で、市場がめまぐるしく変化する昨今、企業が存続していくためには、商品やサービスの対価として実際にお金を払うお客様=市場のニーズに対応することが不可欠です。市場の求める商品・サービス、市場の求めるものづくり、市場の求める営業活動のためには、営業がお客様(市場)からつかんだ情報を企画・製造側に伝え、商品・サービス、ものづくりに活かし、組織として対応しなければなりません。

生産性の向上・無駄なリソースの削除、市場・お客様の求める商品・サービスやものづくり等々、これらの解決には「情報の共有」が必要です。
情報を共有することで、一部署での経験・ノウハウを企業の経験・ノウハウとして他部署にも活かすことができます。また、情報を共有することで、営業がつかんだ市場・お客様の情報を製造(ものづくり)に活かすこともできます。

単に「情報の共有」といっても、それを人間系のみの仕組みで構築しようとした場合、組織全体を網羅することは現実的には困難です。なぜなら人間系で情報共有することの大きな障害は人間自身が持っていると言えるからです。
例えば、人の話を「聞きたい」という意思を持って聞いた場合でも、その理解度は50%程度にすぎないと、以前何かの本で目にしたことがあります。人から人へと伝えるごとに50%程度しか伝わらないとすれば、人を介するごとに情報の精度は落ちてしまいます。
加えて人間は「感情の動物」です。好き・嫌いや過去の良い印象・悪い印象、気が合う・合わないといった感情やその時々の気分、顔の表情や手振り身振りといったボディランゲージも付加され、本来の情報とは関係のない作用が働き、情報自体が変化する可能性もあるのです。
おそらく、気が合う社員ばかりを採用している企業はほとんど存在しないと思いますので、人間系のみの仕組みによる組織全体としての情報共有は難しいのです。

それに比べてシステムを利用した情報共有はどうでしょうか?
システムに登録された情報は、意図的に改変・修正されない限り、時間が経過しても情報の精度が落ちることはありません。人が見るごとに情報自体が変化するものでもありません。変わらない同じ情報を多くの人が同じ精度で見ることができます。
システムによる仕組みさえ整えば、部署と部署の垣根を越えて、営業や製造といった職種にとらわれず、管理者層や現場スタッフといった役職も意識せず、同じ鮮度で同じ情報を平等に共有することも実現可能です。

多くの人間が構成する組織体として、生産性の向上・無駄なリソースの削除、市場・お客様の求める商品・サービスやものづくり等々に取り組むためには、システムによる情報共有をいかに効率よく活用するかがカギであると思います。

★アスクラボは、「PROナビ」による企業競争力向上のための情報共有を提案しています。