利便性とリスク【アスクラボメールマガジン2022年7月号】
非常に進歩していますが、それと同期してリスクも増大しているように思います。
顕著な例でいえば、グローバルサプライチェーンなどにより、大災害やトラブル
発生時に、一つの国・一つの企業で問題を解決することが不可能な時代に
なっています。
それに伴い、被害の及ぶエリアや期間、金額も、以前と比較すると問題に
ならないくらい増大・拡大しています。また、それらの情報がネットで拡散される
ため、直接的な被害のみでなく、風評を含めた間接的な被害も大きくなっています。
また、システム導入においても、従来のようなオンプレミスの場合はトラブルが
発生した際、対象相手は限定的で制限がありますが、クラウド等の場合は
トラブルが発生すると対象相手がある意味無制限となります。
別の視点では、コロナ禍もあり、営業活動も直接対面からWeb・オンラインでの
対応が飛躍的に増大しましたが、Web・オンラインでの営業活動は直接対面に
比べると、視覚・聴覚の情報量が大幅に減少します(一般的に
コミュニケーションは、言葉1割:視覚・聴覚9割と言われています)。
テクノロジーの発展で利便性・効率化は進展していますが、同時に
一旦トラブルが発生すると直接的被害・間接的被害は大きくなって
います。
しかしながら、それらに携わる人間の対応・処理能力が同期して増えて
いるわけではなく、むしろ危険・リスクを予測する能力や、経験や直感
などによる暗黙知などの能力は低下気味に感じています。
さらに、組織風土にも課題があります。歴史を振り返って見ると、
大事故や大トラブルの多くは、一時対応における判断ミスが原因と
なっています。判断ミスが起こる要因は、解決のための本質より上司を
含めた周りの目や反応を優先する環境、ミス・トラブルの前兆を隠ぺいし
情報がオープンにされない環境であることが考えられます。
優先すべき本質の部分が後回しとなり、情報もオープンにされないため、
いざというときに本来機能すべき組織としての知恵の結集が困難と
なるのです。
私の個人的な感覚では、リスクを防ぐ企業風土は、周りの目ではなく本質
を優先し、情報を隠ぺいするのではなくオープンにするといった、
イノベーションを起こす風土と類似しているように思います。
環境変化、テクノロジーの進化に合った情報共有・リスク防止を行い、
組織としての知恵を結集することが重要です。加えて、それを
評価することも重要です。売上・利益獲得の評価だけでなく、売上・利益
のロスを防いだという評価も重要なのです。
■PROナビ、AIリスク診断、ユーザエネルギー測定ツール(※)
人は、事故やトラブルに直面したときにはリスク対策の重要性を優位に
考えますが、時間の経過とともに後回しに考えがちです。
弊社では、「喉元過ぎれば熱さ忘れる」という人の弱点を、
PROナビ、AIリスク通知、ユーザエネルギー測定ツールで補足し
て防いでいます。
アスクラボ株式会社 CEO 川嶋 謙