感じる力と考える力【アスクラボメールマガジン】
経済環境の変化、商品・商材に対する市場のニーズの変化に対応するためには、「感じる力」と「考える力」が必要であると私は思います。
市場はどのように変化しているのか?
お客様の経済環境がどのように変化しているのか?
お客様は何を求めているのか? 等々
市場・お客様の変化やニーズを先ず感じなければ、それらに対応する方法を考えることができないからです。
しかしながら、当社のサービスである組織営業力強化のための支援活動や研修を通じて思うのですが、「感じる力」と「考える力」をバランスよく持たれている方は少なく、「考える力」に比べて「感じる力」が不足している方が多いのが最近の傾向のようです。
市場・お客様の変化やニーズを感じとれない=「感じる力」が弱くなったため、対応策を検討し考える段階まで流れが続かない、つまり、課題解決のための「先ず感じる。そして考える。」というプロセス自体が成立しない状態になっているのだと思います。
相手がどういった態度をとった、どんな表情をした、どんな反応をしたかを「感じる」ことのないまま、「考える」ことを優先させた対応・対策はどんな結果を招くのでしょうか?
相手の意思・意図・ニーズは後回しで自己中心の考えとなり、自身に都合のよい対応・対策になることは想像に難くありません。お客様との商談の場面においても、「考える力」中心の対応をすると、どうしても売り手側の都合を優先した一方通行の話しとなり、お客様は自身のニーズが反映されない内容にメリットを感じることができないため、共感を得ることは困難になります。
ではなぜ「感じる力」が不足しているのでしょうか?
その原因はマネジメントにあると私は思います。
上司から、マネジメントと称してできていない部分の指摘、行動の管理などをチェックされ続けるだけで、発言や発想、行動を褒められた経験が乏しいことに起因しているのではないでしょうか。
そのため、感じたことや発想を報告する、あるいはそれらを基に行動をしても、上司がマネジメントに活かさない(活かせない)ため、それならば感じたことをオープンにする必要はないし感じとる必要もないという結果を招いているのではないでしょうか。
前回のメールマガジンでも触れましたが、マネジメントと称してできない部分の指摘ばかりを受け続けると、「感じる力」はもちろん「考える力」まで損なってしまうことになりかねません。そうなると、ますます無表情・無気力なスタッフが増加し、企業存続の危機につながる恐れもあるのです。
「感じる力」を向上させると、自分の説明に相手がどのように反応したか、安心した表情をしたか、共感した表情だったか、興味を示してくれたか、まったく興味を示さなかったか・・・というようなことがつかめるようになります。そして、感じてつかんだことを商品開発、プレゼン、資料、営業スタイル、マネジメント等へどのように反映させるかを考えることで、改善・改良が可能となるはずなのです。
追記
弊社では、「感じる力」を向上させるためにPROナビの日報(お客様の声・VOICE )に、一行でよいので自分がどのように感じたかという「所感」を入力するようにしています。その結果、「今までの提案とはお客様の反応が違う」といったお客様の反応の変化や、「現状の開発体制ではリスクが大きい」といったリスクの高低・大小などが早めにつかめるようになり、改善・改良やリスク回避のスピードアップに役立っています。
アスクラボ株式会社 CEO 川嶋 謙