感情に左右されない判断【アスクラボメールマガジン】
経営者の立場や管理者としてスタッフを預かる立場になれば、社内外を問わず、自身の判断や言動が数々のことに影響を及ぼすこととなります。
その上で、スタッフの行動や対応を注意し、会議でできていない事項を指摘する際には、冷静な判断に基づいているかどうか、あるいは一時的な感情が優先されていないかどうかということが、正しい判断・間違いのない判断をする上で非常に大切なこととなります。
現在、経営者という立場である私も、自身の判断や言動が間違っていないかどうか、あるいは自分自身で正しいと確信が持てるものであるかどうかを、常に意識し自問しています。
そんな私は、以前より「夜眠りに入る前の10分、朝目覚めた後の10分」に自身の言動をあらためて考えてみるということを実施しています。
仕事を離れ、夜眠りに入る前の10分間、あるいは朝目が覚めて布団から出る前の10分間で、仕事中の自分の言動が正しかったかどうか、一時的な感情が入り間違った判断をしていないかどうかを再度考え、そこで導き出された判断を重視するのです。
成績が伸びない・成長しないとスタッフを指摘・注意しても、夜・朝の10分という時間に再度考えてみると、「指摘・注意した事項はスタッフ自身だけの問題なのか?」、「自分よりもっと能力のある管理者であれば、スタッフの成績が上がりもっと成長しているのではないか?」あるいは、トラブル処理でスタッフの行動を注意した際も、「私の指示がもっと明確であれば、このようなトラブルは起きなかったのではないか?」等々、あらゆる面から冷静に考えることができるのです。
夜眠りに入る前の10分もしくは朝目覚めた後の10分で、自分の言動が正しいと再確認できればそれを継続し、自分の言動に矛盾や違和感があれば修正すべく対応を行っています。
私が懇意にさせていただき、師と仰ぐ地元のご住職に、この「10分」のことを話したことがあり、その際に「人間の心理」について次のように教えていただきました。
『人間は、一人で静かに考えることには感情が入りにくく冷静な答えを導き出せる。しかし、服を着て人前に出てしまうと、考えに感情が入ってしまう。感情が排除された状態、いわば無意識に近い状態で判断すれば間違いが少ないが、表面的な部分(いわば表面心理)だけで判断すると、感情が入り間違う場合が多い。だから、管理者としての判断は感情を取り除いた心理状態で判断しなさい。』
師の教えを受けた後、眠りに入る前の10分と目覚めた後の10分は、様々な感情や意識に影響されない状態であることをあらためて認識しました。
昼間のオンタイムでの判断と眠る前・目覚めた後の10分間の判断にブレがなくなり一致すれば、弊社の業績も向上すると考えています。
アスクラボ株式会社 CEO 川嶋 謙