こつこつとまじめに会社をダメにする【アスクラボメールマガジン】
この不況の中、あらゆる業種の多くの企業が、売上不振に苦しんでいます。
売上不振に苦しむ企業にその原因を聞いてみると、「今まで受注をもらっていたユーザからの発注が減少した」という回答が大半です。
不振打開策として受注回復に向けた会議を開き、対ユーザ窓口となる営業部門にはっぱをかけ、営業部門も担当それぞれが販売に向けた活動を重ねてはいるのですが、その内容は今までと同じユーザを訪ね、「何かありませんか?」とうかがう回数を増やしている場合がほとんどです。
「今まで受注をもらっていたユーザからの発注が減少した」からといって、会社を挙げて一生懸命に、今までと同じマネジメントを今までと同じユーザに対して続けていては、不要なエネルギーを消費するだけになります。今までと同じ営業スタイルでは、いくら真剣に受注回復対策を考えても、いくら熱心にはっぱをかけてスタッフを管理しても、そして現場スタッフが上司の指示をまじめに忠実に実行したとしても、結果には結びつかず「負のスパイラル」へと陥るだけなのです。
つまり、経営者層、管理者層、現場スタッフみんなで、悪意無く「こつこつとまじめに会社をダメにしてしまう」という方向にしか進まないのです。
客観的に見て、注文をくれる可能性のあるユーザの絶対数が不足しているのが現状です。お客様であるユーザ自身も不況下の厳しいビジネス環境にさらされ、使える経費自体が減少しているのですから、既存の収入源を頼りにした売上予算を立ててみても達成はまず不可能です。既存の収入源が枯渇した今、予算達成の手段は「新たな収入源の確保」しかありません。
弊社も以前は、一握りのキーユーザに依存した経営・営業を行っていました。
年度の初めに、キーユーザから受注が見込める案件を積み上げると、その年度の予算がほぼ達成できてしまうといった時期もあり、既存の収入源に頼った営業スタイルに固定していました。そのキーユーザが不況の影響を受け、弊社への発注が減少しても、そのキーユーザを「あて」にした営業スタイルはなかなか変えられず、キーユーザを主軸に予算を組み立て、キーユーザへの訪問回数を増やし、まさに前述した通り、こつこつとまじめに「負のスパイラル」へと向かっていました。
しかし、会社を存続させるためには、新しい収入源を新規開拓するしかないことに気付き、また、「PROナビ」(※)の開発・利用により、キーユーザに依存する営業スタイルからの脱却も可能となりました。
繰り返しになりますが、既存の収入源が枯渇した今、企業存続のためには新しい収入源の新規開拓しかありません。そして、新規開拓のためには新規開拓のためのスキル、組織、マネジメントが必要です。それらの構築のヒントは、市場に一番近くで接している現場スタッフが日々感じ取る「正直な感覚」、現場スタッフが日々対応する「現場の事実」に含まれています。
現場スタッフの正直な感覚をいかにマネジメントに活かせるか?
現場スタッフに現場の事実をいかに日報で表現してもらえるか?
現場の感覚・事実に基づいたマネジメントと戦略が新規開拓につながります。
こつこつとまじめに会社をダメしないように、新規開拓へのシフトが必要なのです。
※PROナビ:弊社開発の組織営業力強化システム
アスクラボ株式会社 CEO 川嶋 謙