「ほめる・感謝する」ことの重要性【アスクラボメールマガジン】
いろいろな企業で弊社が改革支援を行う現場や、弊社主催の研修の場面で、現場の担当者や参加者に「最近うれしかったこと、やる気が出たことは?」と質問することがありますが、一番多い回答は、お客様・上司・同僚に「ほめられた」あるいは「感謝された」というものでした。
日常の業務においては「ほめられる・感謝される」ということはほとんどなく、「できていないところ」を指摘されることの方が圧倒的に多いとのことでした。
管理者のマネジメントにおいては、スタッフのやる気や潜在能力を引き出すことも重要です。そのためには、「ほめる」という行為は重要なキーとなります。
しかし、なぜ「ほめる・感謝する」という行為が少なくなってきたのでしょうか?
大手企業は四半期ごとのIRなどにより、目先の利益を追いかけるあまり数字中心の管理・マネジメントとなりました。そのため、管理者である上司も、利益や実績につながりにくいスタッフの行為に対しては無頓着になり、「できていないところ・欠点」が気になるため、その部分を叱咤することが多くなり、「ほめる・感謝する」という行為が少なくなりました。
また、成果主義の導入などにより、スタッフが自分自身の数字にならないものや評価対象でないものに対しては興味を示さなくなり、結果として個人主義が蔓延しています。そのため、チームを組んでいるスタッフ同士であっても、評価として認識されない業務に関しては、お互いに助け合うということが少なくなったように思われます。
それらの結果として、スタッフのモチベーションが下がるという悪循環に陥っているのです。
弊社も、予算数字達成のために経営者として心配し、悩んでいる毎日です。しかし、弊社開発のPROナビ(※)に入力された内容で、管理者・スタッフの「実績数字にならない部分」を見て取ることができます。
PROナビは、「数字」+「会社の強みと弱み」をとらえることができるツールです。
以前はあまりコミュニケーションがとれていなかった部門間の連携や協力体制、提案書に記載された内容の進歩、クレームや問題への対応力の広がり、入力される文書のまとめ方等、成長の兆しを一つでも二つでも発見できると、経営者として数字に悩む日常の中であっても、夢を持ち、また勇気を持つことができるように感じます。
組織を構成しているスタッフは、上司と気が合わない、部下と気が合わない場合でも自由に人を変えたり、配置を変えたりすることは不可能です。予算や行動計画がうまくいかない原因について、責任のなすりあいを繰り返しても数字や計画が達成できるわけではありません。
予算達成のための重要な要因は、スタッフのモチベーションを上げて、やる気を高め、潜在能力を引き出すことだと思います。
そのために、スタッフに対して「ほめる・感謝する」要因を見つけることと、「できていないこと・欠点」を指摘することのどちらが近道かを選択することもマネジメントとだと思います。
幸いなことに「ほめる・感謝する」という行為に費用はほとんど必要ありません。
スタッフのモチベーションを上げ、やる気と潜在能力を引き出すための投資効果としては大変効率のよいものなのです。
※PROナビ:弊社開発の組織営業力強化システム
アスクラボ株式会社 CEO 川嶋 謙