子供との付き合い方と部下との付き合い方【アスクラボメールマガジン】

■子供との付き合い方と部下との付き合い方

先日、地元のPTA主催で、NHK「できるかな」でゴンタ君と出演していた、「のっぽさん」でお馴染みの高見のっぽさんの講演を聞く機会がありました。
タイトルは「のっぽさん流子供の付きあい方」というものでしたが、営業力強化として組織を考える上でも共感できる部分がありましたので、少しご紹介させていただきます。

のっぽさんは、よく人から「どうしたらうまく子供と付き合えるのか」と聞かれるそうです。しかし、どうしたらうまく付き合えるかなど考えたことがなく、どうやらのっぽさんご自身が幼児であった頃の記憶が克明に残っていることが関係していると言うのです。

なんと0歳の時の記憶もあるそうで、私が興味を持ったのは彼が5歳の時の記憶でした。私には、現在5歳の娘がいますが、5歳といえばまだ意味不明の会話をしたりする年ですね。

(のっぽさん談)
  近所の印刷工場が僕の遊び場だった
  昔の印刷機の活字の駒が下に落ちると小さな手で拾ってあげた
  するとおじさんたちに褒められたので嬉しかった
  可愛がられていたとずっと思っていた
  しかしある日、遊びに行っても戸が閉まっている
  呼んでも叩いても返事がない
  しかし中には人の気配があった
  僕は気付いた
  中のおじさんたちは「しーっ」と息を殺しているのが想像できた
  裏切られたと思った
  それ以来印刷工場には二度と足を運んでいない

だからのっぽさんは子供に対して決してうそはつかず、最高の敬意と誠意を持って接しているそうです。子供と遊べない時もごまかすのではなく、「ようこそいらっしゃいました。ですが今日は遊べません。誠に残念ですが、またの機会にしてください。」と言うそうです。子供は泣きますが、また来てくれると言います。

そしてうそをつかないためには責任が必要だと言います。

(のっぽさん談)
  僕は赤新号は渡らないしゴミも捨てない
  だから子供が目の前でやればどこの子でもバシッと叱る
  いじめも同じである
  テレビでいじめのシーンが出たら消せば子供もわかる
  だけど大人が笑って見ていれば影響するに決まっている
  僕は幼児期の記憶があるだけにうそが通用しないことを痛感している
  だから自然に行動に現れているだけである

さて、営業力強化でお客様のお手伝いをさせていただく中で、一番ネックになっているのが管理者と現場の信頼関係のようです。ちょうど大人と子供の信頼関係と良く似ていると思いました。私がのっぽさんの話から学んだ重要なことは、相手の気持ちを理解して誠心誠意会話し、かつ言ったことに責任を持って行動で示す事だと思いました。管理者が自分の立場しか考えずに話せば、子供と同様、部下もその場では「はい」と言いますが、内心は気付いているため、思うようには動いてくれません。

問題はどうやって部下の気持ちを理解するかです。弊社では日報になるべく所感を書いてもらうことで、気付こうとしていますが、本心を書くのも勇気が要るわけです。最近では思い切って「私はこう思う」とコメントをすると、他の何人かが意見を入れてくれるようになり、皆が何を感じているのかが分かるようになってきました。面と向かっては言いにくい事も多く、日報が信頼関係構築に役立ってくれています。

(アスクラボ株式会社 東京事務所所長 八木 さとし)