PROナビに活かされた発想 その二 「質疑応答」【アスクラボメールマガジン】

「質疑応答」という発想

繰り返しになりますが、PROナビは、あるべき論ではなく、どこの企業にでも生じている課題を、どう解決するかを考えて作成したシステムです。そして、経営上層部が「上から目線」で管理するためのシステムではなく、「現場目線」で相手を知るために、コミュニケーションのキー(鍵)となるべく作成されたシステムです。
そのため、「現場目線」の発想の数々がPROナビには活かされています。

弊社にとっての営業スタイルの大きな変化は、起業後数年を経て既存ユーザを獲得した後に生じました。
新規開拓・提案型営業からスタートした弊社でしたが、ユーザ獲得後はリクエストに応える「ご用聞き営業」のスタイルも定着してしまいました。

新規開拓・提案型営業を強みとして他社リプレースに動いた弊社でしたが、弊社がリプレースできた要因の一つには、競合した他社がまさしく「ご用聞き営業」のスタイルとなっていたからとも言えます。「ご用聞き営業」が中心となると、今度は弊社が他社にリプレースされてしまうという危機感から、営業スタッフに注意やアドバイスを行うものの、スムーズには受け入れられませんでした。

また、先輩社員や上司が、新規開拓・提案型営業のスキルや経験を、若い社員へ伝えようとすればするほど、昔の成功体験や自慢話を語っているようにとらえられ、「そんな話はうんざりなんですが・・・」という雰囲気が明らかでした。会社とすれば先輩社員や上司の知識・スキルが伝承されなければ、会社存続ということにも影響を与えます。

このような状況をどのように解決したらよいかを考え、たどり着いた結果は次の通りです。

相手が聞きたくない時に、いくら「伝えよう・教えよう」としても効果は期待できない。相手が困った時・聞きたいと思った時にこそ、一番伝えることができるのではないか。

漠然と経験やスキルを伝えるのは、伝える側も難しい。

何かを聞かれた・質問された時にこそ、経験者・先輩のナレッジの扉が開く。

この発想が、PROナビの「質疑応答」という機能に活かされています。

無理に教えたり押し付けたりするのではなく、「困ったからアドバイスが欲しい、わからないから教えて欲しい」という相手の自発的な欲求・意思が働いてこそ、他からのアドバイスや注意もスムーズに受け入れられるのだと思います。

また、伝え・教える側も、何も聞かれない状態で漠然と自身の経験やスキルを引き出すより、何か具体的な質問を受けた方が、「この場合には!」と、自身の経験やスキルの中から適切なものを引き出しやすくなるのではないでしょうか。

現場スタッフが様々な質問や疑問をあげることにより、上司・先輩といったエキスパートの知識・スキルが伝達され、同時にシステムに蓄積されて共有できる仕組みをPROナビで実現しています。

【追記】

「質疑応答」機能には、次のような発想も活かされています。

・どの会社にも必ず「できる社員」が存在します。その社員はアドバイスをもらえる人脈やルートを持っています。
そんな「できる社員」の人脈やルートを、誰もが利用できるような「仕組み」として作れば、スタッフ全体の底上げが可能になるのでは・・・!

・がんばって結果を出している社員から質問やアドバイスを求められたら、上司や先輩は本気で対応をします。
しかし、積極性が見えず、結果がともなわない社員に対しては、力の入れ具合も控えめになってしまうのでは・・・!

・アドバイスや知識がもらえて自分が助かったという「恩恵」があれば、現場スタッフのモチベーションも上がり何事も継続できるのでは・・・!

PROナビの「質疑応答」機能には、システム上に入力された質問を最適な人材に振り分けて回答を依頼する「ディスパッチャー」という仕組みを導入しています。
これにより、誰にでも「できる社員」のような人脈・ルートが整うと同時に、回答者にはディスパッチャーから質問が届く形式となるため(※2)、質問者に対する先入観を与えることもありません。また、必ず回答がもらえるため、スタッフにとっては、質問をすれば自分が助かるという「恩恵」を実感できる仕組みです。

※1 PROナビ:弊社開発の組織営業力強化システム 【特許出願済み】 
※2 ディスパッチャーを経由しない質問も可能です。

アスクラボ株式会社 CEO 川嶋 謙