厳しさと安らぎは表裏一体【アスクラボメールマガジン2017年8月号】

ビジネスに携わる方々は、それぞれの役割や立場に違いがあっても、企業の発展のため・ビジネスの競争に勝つために、営業活動や開発などの場面で「厳しい」と感じる日常を送っていることと思います。
私の場合も例外なく、ビジネスの厳しいプレッシャーやストレスを常に感じています。販売や開発、マネジメントなどにおいて自分のイメージ通り・当初の計画通りに進む日は稀で、思ったようにはなかなか進まないため対策を考えて悩む日がほとんどです。

しかしながら、ビジネスの厳しいプレッシャーやストレスが嫌か?と問われた場合、必ずしも「嫌」というわけでもないのです。なぜなら、「これほど刺激的なものは他にない」と思えるほどビジネスは刺激的であり、本来「怠け者」である私を真剣にさせてくれるのもビジネスだからです。さらに、ビジネスの厳しいプレッシャーやストレスは、普段のなんでもない景色や出来事、いつもの空間や時間を貴重なものに変えてくれるからです。

思った通りに進まないことへの対策を考えて悩むときや、大きな商談の方向性や結論を確認するためにお客様を訪問するときなどは、確かにストレスを感じます。また、研修や講演の講師を担当するときなども数日前からプレッシャーを感じてしまいます。しかし、良い解決やマネジメント案が浮かんだとき、大きな商談が良い局面になったとき、講師の役割を無事に果たしたときなどは、いつものビジネスデスクで過ごす空間が貴重な安らぎの環境に感じたり、なんでもないコーヒータイムが非常に価値のある楽しい時間に感じたりするのです。

いつもと同じ時間や空間を貴重で価値があるものと感じる度合いは、その前のプレッシャーやストレスの大きさに比例しているように感じます。
私の父は、会社経営を引退する以前から油絵やゴルフを趣味として楽しんでいましたが、「(引退してからは)絵を描いてもゴルフをしても、以前ほど面白くも楽しくもない」と言ったことがあります。
おそらく、ビジネスの一戦から退いてビジネス上の厳しさや悩みから解放されたことが「以前ほど面白くも楽しくもない」となった原因だと思います。つまり、プレッシャーやストレスの減少に比例して、貴重で価値があると感じたいつもの時間や空間が、本来の普通の感覚に戻ったのだと思います。
厳しいプレッシャーやストレスといった嫌なことから逃げると、今までの楽しみや安らぎを失ってしまいます。まさに厳しさと安らぎは表裏一体であると感じています。

厳しいプレッシャーやストレスなどを感じないで、波風のない平穏な日々を過ごすと、時間も空間もいつもと変わらず「普通」に感じます。厳しいプレッシャーやストレスなどを感じる日々を過ごすと、その後の普通の時間や空間が「貴重で価値あるもの」に感じるようになります。
どちらの日々の過ごし方を望むかはそれぞれの価値観により違いがあると思いますが、私の場合は立場上選ぶことはできません。
日常、厳しいプレッシャーやストレスを感じる状況に追い込まれたとき、その先にある貴重な時間や安らぎの空間に出会えることを楽しみに日々を過ごし、行動しています。

★PROナビ(※)での情報共有は、スタッフの知恵・知識を共有することにより、課題の解決に組織として対応することを目的としています。その結果、厳しいプレッシャーやストレスのかかる時間を短くすることも可能となります。
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                     アスクラボ株式会社 CEO 川嶋 謙