運の流れ~準備を怠らずチャンスを待つ~【アスクラボメールマガジン2018年10月号】

仕事を通じて多くの経営者の方にお会いしますが、お話しをうかがう中で共感を得ることが多々あります。ある経営者の方は、「自分より実力のある経営者はたくさんいるが、自分が成功できた一番の要因は運がよかったから」とおっしゃいました。私も運のよい生き方をしたいと常々思っているため、その言葉にとても共感しました。

会社に出勤するときからなんとなくスッキリしないと感じている日は、トラブルや問題が連続して発生することが多く、逆に目覚めからスッキリとしていい感じの日は、ラッキーな事や良い出来事が続けて起こるものです。商談においても、期待している商談の当てが外れた日は、挽回しようとむきになって
活動しても期待外れの結果になることが多いのです。

運がいい・悪いという流れは、ビジネスシーンでもプライベートでも、そして誰にでも平等にあると思っています。以前にもメルマガで紹介しましたが、私が師と仰ぐ地元のご住職より「感情が入って判断したことは誤りが多いが、感情が排除された無意識に近い状態での判断は間違いが少なく、その結果、
運のよい生き方ができる」と教えを受けました。感情が入った「表面心理」で判断すると失敗する確率が高くなり、無意識に近い「深層心理」で判断すれば上手くいく確率が高くなるという教えです。表面心理とは、いわば身支度を整えて人前に出た状態での意識であり、深層心理とは、布団に入って眠りに入るまで、あるいは、目覚めて布団から出るまでの間のような意識です。

最近、ある脳科学者の本を読みましたが、運がいい・悪いという流れは誰にでも平等にあると思っていた私には、その思考の裏付けが取れたような内容でした。その脳科学者によると、運は平等に降っていて、チャンスは平等にあり、それは実験により科学的にも実証されているのだそうです。また、運のいい人と運の悪い人について、その振る舞いの違いに着目されており、運の悪い時期には被害が最小限になる行動をして、運の流れが向いてきたときには大
きく行動すること、それが運のいい人の技術と指摘しています。

企業で行われている会議では、参加者の多くが感情の入った「表面心理」の状態になっているケースが大半です。その結果、運の流れに関係なく、常に増益・増収の目標を立て、叱咤激励の繰り返しといった行動になりがちです。この状況は、いわば既存の収入源に依存したものであり、将来に対しての準備や新たな技術・アイデアなどは、そのような環境から生まれてくる確率は非常に低いと思われます。運の流れが来るまでは、目的を達成するための裏付となる準備・行動を怠らず、叱咤激励でスタッフを疲弊させないで、流れ(チャンス)が来た時にスタッフが力を発揮できるように準備することが必要であると思います。ちなみに、新たに誕生したベンチャー企業が、独創的な商品やビジネスモデルを生み出すのは、比較的感情の入らない「深層心理」に近い環境で打ち合わせやミーティングを行い、本質を追求しているからではないかと思っています。

弊社は、地域限定・SIビジネス中心のビジネスモデルから、人材育成研修・PROナビ(※)など全国展開のビジネスモデルへ変更の途上です。実績数字の面ではまだまだ厳しいですが、ビジネスの流れ・タイミングが来た時を逃さないように、スタッフ各自のスキル向上と協力し合う組織連携に加えて、
ビジネスモデルにも磨きをかけてチャンスを待っています。
「PROナビ」について https://asclab.com/service/pronavi/
                     アスクラボ株式会社 CEO 川嶋 謙