賢者は非難と称賛に動じない【アスクラボメールマガジン2019年6月号】
「大きな岩が風にまったく揺るがないように賢者は非難と称賛に動じない」(釈迦)
常に平常心で冷静な判断をしたいと考える私にとって、まさに目指すべきところと いう名言です。プライベートでは、好きか嫌いかで判断することも多々ありますが、 ビジネスにおいてはすべての判断を平常心で行いたいと常々気を付けています。
■目的の達成のために好き・嫌いは関係ない
例えば、プロジェクトを成功させるという目的のためにメンバーを選定しますが、 中には「あの人と組むのはちょっと・・・」というようなことを耳にすることもあ ります。しかし、そもそも社員を採用する時点で、今いる社員と気が合うかどうか を考慮して採用している訳ではなく、弊社のビジネスを成功させるために必要な 人材であるかどうかという判断で採用しているのです。
しかも、私の経験では、 最初は嫌いと思っていた相手でも、同じ苦労や心配をして目的を達成したときには、 好感を持つ方へと変わっていることがほとんどでした。
■スタッフに好かれることを目的に判断はしない
リーダの役目・役割により、それぞれに持っている課題が違うのは当たり前です。 リーダの判断や考えが配下スタッフに即理解されるようであれば、それはリーダと しての役目を果たしていない、あるいはリーダとして成長していないことであると 思います。時間が経過し結果が出た時に初めてスタッフに理解されるものであり、 それが当たり前であると思っています。
■お金がある時もお金がない時も同じ判断をしたい
景気が良い時も不景気な時も、ビジネスにおいて「必要なものは必要」であり、 いくらお金があっても「不必要なものは不必要」という判断を心がけています。
■役職は関係なく対応し、年長者には礼儀を尽くしたい
私自身、若い人と話す時も、ベテランの人と話す時も、また、著名人やしかるべき 役職に就かれている人と話す時も、手を抜いたり対応に差をつけたりすることはなく、 その場面で一生懸命に話しをしています。役職や立場に左右されることのない言動と、
年長者には特に礼儀を尽くしたいと思っています。
■無常
人間関係、好き嫌いの感情、世の中のニーズ、市場の評価、いずれも常に変化をして います。今日褒められても、明日、明後日、一ヵ月後同じように褒められるかどうか は決まっていません。同様に、今日嫌われても明日、明後日、一ヵ月後同じように
嫌われているかどうかはわかりません。将来は不確定なのです。今のビジネスが上手 くいっても将来は不明です。そんな不安を少しでも解消したいという気持ちが、 調査や研究、学ぶことの源となり、不明・不安により左右されないための行動につな がっていると思います。
非難と称賛に動じない平常心での判断とは感情に影響されない判断であると思います。 そのためには、「目的意識の強さ」と「物事の本質の追及」が必要であると思って います。
アスクラボ株式会社 CEO 川嶋 謙