固定観念・頑固というリスク【アスクラボメールマガジン2020年11月号】
高齢化社会を迎え、高齢者の雇用機会確保等の施策にともない、スタッフの勤務も長期化してきています。長年勤務するスタッフが注意しなければならないことは、業務経験を重ねるにつれて固定観念にとらわれないようにすることです。過去の経験による固定観念にこだわると、他者から頑固者と見られるばかりか、自身の成長も止めてしまいます。
固定観念についてこんな話を聞いたことがあります。
引き戸にドアノブを取り付けて子どもと大人の反応を見ると、子どもはドアノブがあってもすぐに引き戸ということに気付くのですが、大人はなかなか気付かないのだそうです。大人は、ドアノブは開き戸についているものであるという固定観念にとらわれ、引き戸と気付くまでに時間がかかるのです。
企業の発展にとっても、固定観念が妨げになる場合は多々あります。
私自身が固定観念にこだわって頑固者になると、責任者であるが故に配下スタッフの成長を妨げ、結果として会社の発展を妨げることになってしまいます。そのため、固定観念にとらわれていないかどうか、次のようなセルフチェックをしています。
1.仕事・プライベートを含めて、いろいろなことに興味を持っているか?
自分にはできないことをしている人を見ると「なぜできるのだろう?」と自然に興味が湧きます。例えば、自動車の修理をお願いしたときのエンジニアの方や、家の修繕を依頼したときの大工さんや内装の方が、手早くかつ正確に、そしてきれいに仕上げるその技術・仕事に感心するとともに「なぜできるのだろう?」と興味が湧くのです。興味持つということは、自分の考えや固定観念にこだわらないことだと思っています。
2.学びたい・成長したい気持ちがあるか?
いろいろなことを「学びたい」と思って学んでいる内は、成長したいという気持ちがある証と思っています。もう学ぶものがない・教えてもらう必要がないと感じたときは、それこそが固定観念にとらわれている証であり、自分自身が「下り坂」にさしかかったときと思っています
3.人の長所を探しているか?
人の一面だけを見て判断せず、固定観念にとらわれることなく、長所を探すようにしています。ちなみに、心理学的には、自分に自信がなくなると人の欠点探しが始まると聞いたことがあります。また、海外のある大学の研究では、人の悪口を言う人は認知症にかかりやすく死亡率も高くなる傾向があるということです。
4.気が短くなっていないか?
自分に自信がある部分は、他者にそこを突かれても余裕を持って対応ができます。 しかし、自信のないところを突かれると、余裕がなくなり、怒ってしまうか不機嫌な 態度で阻止しようとします。人と意見の違いや反論があっても、自身の考えに頑なになるのではなく、人それぞれの価値観があるという気持ちの柔軟性が必要だと思います。
市場ニーズに合ったビジネスモデルの構築のために、また、そのための人材育成も目的としてPROナビ(※)の情報を日々見ていますが、自分には思いつかない発想や行動、技術に関する情報があったとき、また、スタッフが自分にはないスキルや特徴を持っていることや、スタッフの新たな長所に気付いたときは、私自身の気持ちがとても前向きになり、経営者としての「勇気」も湧いてきます。
※PROナビ
弊社開発のPROナビ(組織営業力強化システム)も、開発の目的は管理業務ではなく、お互いの情報を集めて、お互いの長所を伸ばし、お互いの弱点を少しでも克服するための人材育成を目的にしています。
アスクラボ株式会社 CEO 川嶋 謙