上回る知恵の創出【アスクラボメールマガジン2021年1月号】
新年を迎えるにあたって会社の新たな方針を考えました。新たな方針は「上回る知恵の創出」です。
新型コロナウイルスによる経済への影響や人々に与える精神的な影響は、克服しなければならない大きな問題となっています。またそれ以前から、市場の急激な変化・技術革新のスピードへの対応という課題もあり、これらに対応できなければ企業の発展・存続はありません。問題や課題を乗り越え・克服するためには、それらを上回る(超える)知恵の創出が必要となります。
知恵とは、過去の経験や考察と、人との交流を通じて得た学び、あらゆるメディアを通じて得た情報や知識等が積み重ねられたものだと思います。その積み重ねの経験、学び、情報を記憶・保存し、問題・課題解決などの必要なときに「知恵」として活用するのです。
私自身、成功などのよい経験もあれば、苦労したり悩んだり、嫌な思いをした経験も多々ありますが、それらすべてが知恵の基になっていると思います。よい経験よりもむしろ失敗・後悔・反省した経験の方が、知恵として役立つ場面が多かったかもしれません。
弊社PROナビ(※)開発時、開発担当の技術者より「上司・先輩の、経験や知恵・スキルの『辞書』を作ってほしい」という依頼がありました。しかし、何か具体的な質問を受けたり、実際にそれが必要とされる場面が生じたときに自身の経験や知恵の辞書が検索できるもので、何も聞かれない・何事も生じていない場合には、なかなか検索ができないということに気づきました。
「創出」も同じことだと思います。
上回る知恵の創出のためには、一人の知恵だけでは限界がありますので、他者の知恵を組み合わせることも必要です。他者の知恵を組み合わせるためには、人との交流がなければ始まりません。しかし、感情や先入観がそのチャンスを妨げている場合があります。
あの人は好き・この人は嫌いという感情、年齢やキャリア、社会的地位の有無という先入観等は、人との交流のきっかけを阻むものです。しかし、問題や課題解決のための目的意識が強ければ、それらを超えることができると思っています。
自分自身、(極端な言い方をすれば)過去に嫌な思いをした相手であっても、課題を解決するためにその人の力や知恵が必要と感じたら、躊躇なく相談や協力をお願いしていました。そのおかげで課題が解決できたときには、相手に対する感謝の気持ちが芽生え、過去の嫌な思いが薄れ、よい思いの方が残るという経験をたびたびしてきました。
さて、人との交流という点では弊社スタッフも同じです。現在のスタッフを採用する際、弊社にとって必要な人材かどうかという判断で採用しており、私のプライベートの価値観で好きか嫌いか、意見が合うか合わないかを基準に選考しているわけではありません。仕事を離れた私の感覚で言えば、正直なところ価値観の違うスタッフがほとんどでした。
しかし、長年仕事をともにしてきて、価値観の違いや考え方の違いがあったからこそ、また、私流の説明(口頭・短時間・単発的)では相互理解ができず組織の有効活用が困難であったことが、PROナビという行動や考えを日常的に伝えあう仕組みの構築に
つながったとも思っています。
新型コロナウイルスの影響により、不必要と感じられた商品やビジネスモデルは需要を失っています。その失った需要を補うために、また環境の変化に対応するためにも、上回る知恵の創出が求められると感じています。
※PROナビ
弊社開発のPROナビ(組織営業力強化システム)は、業務の管理が目的ではなく、お互いの情報を集めて、お互いの長所を伸ばし、お互いの弱点を少しでも克服するための人材育成を目的にしています。
アスクラボ株式会社 CEO 川嶋 謙